粒子

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電子回路を介して弦の鳴りをスピーカーから出力した時代から時が経ち、やがて電子音の響きそのものがメロディーとして紡がれ、その音を聞いた瞬間に技術革新の進んだ未来を人々は想像した。

 

 

21世紀を迎えて興隆したエレクトロニカ(IDMとはまた別で)はその後ポストロックやジャズ、ブレイクビーツと邂逅し今ではその当時の形を保ったままの姿でお目にかかれることは少なくなったけれど、当時のレーベルから当時の香りを残して少しだけ現代にアップグレードされたこの曲を聴いて嬉しくなったのは自分だけじゃないはず。まあ、リアルタイムで聞いてたわけじゃないから歴史を勉強するみたいな感動なんだけれど。

冷たくて温かい音+ウィスパーボイスっていうそれだけで美味しいやつ。当時の未来が現在として追いついてきた結果、しっかりと普遍性は残ってくれてて嬉しかった。

 

その抽象性から、祈り、羨望、嫉妬、哀願など煩悩的感情を投影することだって出来るぐらいに懐の広いジャンルこと、エレクトロニカ。だから好き、みたいな。